突然ですが、皆さんは誘惑に負けて、大切な事を先延ばしにしたことはありませんか。私はよくあります。今日は、そんな経験をしたことのあるすべての人に『スタンフォードの自分を変える教室』という本を紹介したいと思います。著者のケリー・マクゴニガルは、スタンフォード大学の健康心理学者です。

今回は、第１章の「やる力、やらない力、望む力」についてお話します。この３つの力を駆使して目標を達成する力のことを意志力と言いますが、この意志力を鍛える方法について説明したいと思います。最初に、漫画やアニメで、主人公が悩んでいる時、頭の上に悪魔の姿をした「自分」と天使の姿をした「自分」が現れて、「やめちゃいなよ」「いいえ、やめてはいけません」と言い争う、そんな場面を思い出してみて下さい。このときの「やめてはいけません」という天使が「やる力」、「だれも見てないからやっちゃおうよ」という悪魔に「いいえ、やってはいけません」という天使が「やめる力」、「今楽しければそれでいいじゃん」という悪魔に「あなたが本当にやりたいことを思い出して」という天使が「望む力」です。誘惑という悪魔に打ち勝つための簡単なトレーニング、それが「瞑想」です。瞑想は、脳を鍛え、意志力を強化するのに役立つという実験結果がでているそうです。

それでは、瞑想のやり方を説明します。皆さん実際にやってみましょう。まず、椅子に座って足の裏を床にぴったりつけて、背筋を伸ばし、両手はひざの上に置いてください。このとき重要なのは、「そわそわしない」こと。次に、目を閉じて、心の中で「吸って」「吐いて」と言いながら呼吸に集中します。次第に呼吸をしているときの感覚がつかめてきたら、「吸って」「吐いて」と言うのをやめてください。ただし、気が散り出したら、また意識を呼吸に戻すことを繰り返します。どうですか、瞑想の方法はわかりましたか。

また、瞑想は、行う時間帯を決めておくとよいそうです。習慣化することで、トレーニングを継続することができるからです。

さて、あなたの目標を達成するために、清掃前の「黙想」の時間を活用してみてはどうでしょうか。７限目の授業も部活動もいつもより集中力がアップすると思いますよ。

（5月26日、放送朝礼より。写真出典：http://www.amazon.co.jp・・・「スタンフォードの自分を変える教室」。）