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201711.15
校長講話_88 聖心館の階段のことなど
先週に続き、今朝も長野清泉の歴史についてお話しします。
本校の聖心(みこころ)館、今、高校1年生と2年生が使っている校舎は、57年前の1960年に建てられたもので、長野清泉では一番古い建物です。年配の卒業生が久しぶりに本校を訪問した時などに、聖心館に連れて行くと、当時のたたずまいがそのまま残っているので、本当になつかしがります。
中央階段の踊り場には面談室があったり、3つある階段には今では珍しい材質のタイルが使われていたりして、私には暖かさを感じさせる校舎です。階段に使われているのは「人研ぎ」と言われる工法で作られたタイルです。「人研ぎ」とは、「人」に刃物を研ぐの「研ぐ」をつなげた表現です。セメントにきれいな小石を混ぜて作った人造の石です。前回の東京オリンピックが開かれた1964年ころまでは、建物によく使われていた様です。しかし、職人さんの手間がかかるので、今では見られなくなっています。貴重なタイルと言えるかもしれません。今日階段を使う時、足元のタイルを見て下さい。
さて、今の聖心館が1960年に建てられる前はどうであったかというと、皆さんの大先輩たちは、戦争直後ということもあり、旧日本陸軍の司令部であった建物を校舎として使っていました。昨年の3月に発売された雑誌『東京人』の増刊号『清泉教育の歩み』に当時の校舎の写真が載っています。今朝のお話は、本校のホームページに載りますがそこにその写真を載せておきますので、時間のある時にご覧ください。
11月4日の土曜日には悼ミサが行われました。その折、清泉寮学院1期生のご遺族が当時の貴重な写真を持ってきて下さいました。そこには、今お話しした、陸軍の司令部を校舎として使っていた頃の校舎内の様子が写されていました。その写真については、次回の放送朝礼でお話ししたいと思います。