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校長講話

201902.26

校長講話_NO.118「教皇フランシスコの選んだ写真」「トランクの中の日本」

「教皇フランシスコの選んだ写真」(2月6日の放送朝礼)

 既にニュースなどでご存知の方も多いかと思いますが、カトリック教会のローマ教皇、フランシスコが、「今年の11月に日本を訪問する。」と述べました。教皇フランシスコは、今年の11月下旬に5日前後の日程で、広島、長崎を訪問し、原爆の被害にあった方々に祈りを捧げるとのことです。

 1年前、昨年の1月、教皇フランシスコは、原爆投下後の長崎で撮影された「焼き場に立つ少年」の写真をカードに印刷し、「戦争のもたらすもの」という言葉を付けて、全世界の教会を通して、人々に広めるようにと指示を出しました。このことはその写真と共に新聞で報じられましたので、覚えている方もいることでしょう。

 教皇の指示のもと、日本でもカードの作成が計画され、昨年の8月に日本版のカードが完成しました。

 写真の裏には、「戦争のもたらすもの」の言葉とともに教皇フランシスコの署名があります。そして次の文が添えられています。

「亡くなった弟を背負い、

 焼き場で順番を待つ少年。

この写真は、アメリカの占領軍のカメラマン

 ジョセフ・ロジャー・オダネル氏が

 原爆後の長崎で撮影したものです。

 この少年は、血がにじむほど唇を噛み締めて、

 やり場のない悲しみをあらわしています。」

 この写真が収められているオダネル氏の写真集『トランクの中の日本』と、奥様の著した『神様のファインダー』の2冊が図書館に入っています。一人でも多くの方に読んでもらいたいと思います。

 次の放送朝礼では、この2冊の本についてお話ししたい思います。

教皇フランシスコ.png

フランシスコ教皇様

「トランクの中の日本」(2月20日の放送朝礼)

 今朝はこの前の放送朝礼の最後に紹介し、今、図書館で展示して頂いている2冊の本についてお話しします。

 教皇フランシスコが、昨年の1月、全世界の教会に配布した「焼き場に立つ少年」という写真が収められた『トランクの中の日本』という写真集と、その写真集を出したジョー・オダネル氏の奥さまが書いた『神様のファインダー』という本です。

 ジョー・オダネル氏はアメリカ海兵隊のカメラマンとして、194592日、九州の佐世保に近い海岸に上陸します。1945年という年は、皆さんもよくご存知のように、86日、広島に、そして89日、長崎に原子爆弾が投下された年です。オダネル氏はその時からひと月も経たないうちに、日本に来て、佐世保、福岡、神戸、広島、長崎の各地を回り、当時の日本の様子をカメラに収めました。

 この『トランクの中の日本』の「読者の方へ」という前書きには次の様に記されています。お読みします。

 「19463月、本国に帰還した私は、持ち帰ったネガをトランクに納め、二度と再び開くことはないだろうと思いながら蓋を閉じた。生きていくためにすべてを忘れてしまいたかったのだ。」

 ここから『トランクの中の日本』というタイトルはきています。しかし、もう二度と開けるつもりのなかったトランクをオダネル氏は45年後に再び開けます。写真のネガは45年経っても奇跡的に守られていました。なぜ、そのトランクを開けることになったのかは彼の妻である日本人の坂井貴美子さんの書いたもう一冊の本『神様のファインダー』に詳しく記されています。カトリックのシスターが作った一つの彫刻との出会いがきっかけでした。『神様のファインダー』はオダネル氏からの聞き取りと、彼の写真展の企画の記録です。皆さんには是非2冊を読んで欲しいと思います。きっと多くの発見があり、戦争とはどういうものか、また平和とはどういうものかが感じ取れることと思います。

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(図書館前の展示 2019年2月25日撮影)

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