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校長講話
201911.07
校長講話_No.137「教皇フランシスコ、グレタ・トゥンベリさんのこと」
今朝は、今月来日する教皇フランシスコの考えていること、世界の動きについて少しお話ししたいと思います。
教皇は2015年に『ラウダ―ト・シ』という本を出しました。この本の中心テーマは地球環境です。教皇は今の企業のあり方、私たちの生活のあり方の見直しを強く迫り、地球が危機に直面していることから目をそらしてはいけないと、訴えています。本の中の一節をお読みします。
「わたしたちは後続する世代の人々に、今成長しつつある子どもたちにどのような世界を残そうとするのでしょうか」
もう一度、お読みします。
「わたしたちは後続する世代の人々に、今成長しつつある子どもたちにどのような世界を残そうとするのでしょうか」
「今成長しつつある子どもたち」とは皆さんのことです。その一人にスウェーデンのグレタ・トゥンベリさんがいます。9月23日、ニューヨークの国連本部で開かれた「気候行動サミット」で大人たちを前に演説しました。皆さんはグレタさんの厳しい表情をご覧になったことでしょう。
「私たちは絶滅に差し掛かっているのに、あなたがたが話すのはお金のことと永遠の経済成長というおとぎ話だけ。何ということだ。」と各国の首脳、閣僚に語りかけました。
日本は非常に残念なことに、アメリカと共に温暖化対策には消極的です。サミットにはフランス、ドイツ、イギリスなどの大統領、首相が出席する中、安倍首相は出席せず、環境相が出席しました。77ヶ国が「2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする長期目標」を表明しましたが、日本は加わっていません。今回の台風19号の被害は地球温暖化との関連で各国のニュースで報じられています。
私には、グレタさんの「あなた方が話すのはお金と永遠の経済成長というおとぎ話」という厳しい言葉は日本にも向けられているように感じられてなりません。
日本のあり方は国民の意思で変えていくことが出来ます。その第一歩は、日本という国のあり方を粘り強く見続けることと、世界の出来事に関心を持ち続けることだと私は思っています。皆さんはどう考えるでしょうか。
フランシスコ教皇様
グレタ・トゥンベリさん