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校長講話
202001.27
校長講話_No.140「暖かすぎる冬」
来週の月曜日、1月20日は暦の上で「大寒」です。立春の前、一年で最も寒い時期とされています。
この冬は雪らしい雪が降らず、一月半ばを迎えています。私が大学を卒業して長野市に来た頃は毎日のように雪が降り、家の軒下には太いつららが何本も下がっていました。雪は年々少なくなってきましたが、それでも少し前までは冬のこの時期、朝家を出ると刺すような冷気に頬が包まれ、澄みきった空気は冬の厳しさを感じさせてくれました。今年はそのような冬らしさがほとんど感じられません。
私たち一人一人の生活の見直しが求められています。国のあり方を批判するだけではだめだ、ということはわかっているのですが、日本が地球の温暖化対策にあまりに消極的なことに対して、私たちはもっと批判的な目を向けても良いのではないかと感じます。
昨年12月11日には、国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議、いわゆるCOP25 の会期中、世界の環境団体で作る「気候変動ネットワーク」によって、日本は地球温暖化対策に消極的な国に贈る「化石賞」に選ばれました。
その数日前の12月9日には、地球温暖化対策に逆行するものとして強い批判のある、発展途上国の石炭火力発電所建設に対する援助を日本が今後も続けていくことが明らかになりました。政府関係者は「エネルギー需要が急増するアジアの途上国を中心に石炭火力のニーズがある。現状で輸出戦略を見直す状況にない。」と語りました。温暖化対策よりも日本の経済を優先するということです。
さらに、その一週間後の12月16日には九州電力が燃料に石炭を使う松浦火力発電所2号機を新たに作りました。石炭火力発電所は発電コストが安く、供給が安定するという、これも経済優先のためです。日本は二酸化炭素を多く排出する石炭火力発電を自国の経済のために推進していこうとしています。
果して、経済というものは、地球環境、地球で暮らす様々な命、地球の未来よりも大事なものなのでしょうか。私は、国の進めるべき方向を是非、見直しをしてほしいと思います。皆さんはどう考えるでしょうか。友だち、家族で、話題にしていきましょう。
(信濃毎日新聞の記事より)