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校長講話
202103.27
校長講話_NO.178「イギリスの旅 その5」
今朝は先週の話の続きをお話しします。先週は、スコットランドはエディンバラの駅でインバネス行の列車の切符を買おうとしたら、インバネスの発音がうまく出来ず、切符を買うのにとても苦労した、という話をしました。
無事にネス湖で有名なインバネスに着いた私は、その日泊まるところを決めなければなりませんでした。ヨーロッパの都市や、街、村には駅や中心部にインフォメーションセンターがあり、そこで宿を予約することが出来ます。窓口の係の人は、「安全で、安くて、清潔で、朝食がおいしい」などというこちらのわがままな要望を出来るだけかなえようと全力を尽くしてくれます。
インバネスの駅に着いた私は、インフォメーションセンターを探したのですが、どこにあるか分かりません。そこで通りかかった地元の人らしいおじさんに声を掛け、道を尋ねました。するとそのおじさんは駅の広場の向うを指さしながら教えてくれました。私は、全て聞き取れた訳ではなかったのですが、方向はわかったので、「ありがとう。」と言ってその場を離れました。ところが指さされた方向に来ても、インフォメーションセンターは見つかりません。「おかしいな。」と思ってキョロキョロしていました。
すると、ちょっと驚くことが起こったのです。誰かが後ろから私の肩をトントンと叩くのです。振り返ると、そこにはあの道を教えてくれたおじさんがニッコリ笑って立っていたのです。彼は私に道を教えた後、目的地にちゃんと行くかを見守ってくれていたのです。私は、イギリス人の国民性について一つの仮説を持っています。その仮説とは、「イギリス人は人にものを教えるのがとても好きな国民である。」ということです。ストラッドフォードの食堂のおばさん、エディンバラの駅員、今回のおじさん、みんなとても丁寧にものを教えてくれました。
今回はインバネスよりもさらに北へ向かった話をしたかったのですが、時間になってしまいました。機会があったら、お話ししたいと思います。
最後になりましたが、一つ、皆さんにお知らせがあります。高校2年生の修学旅行についてです。昨日の朝出発の予定でしたが、状況が変わりましたので、「中止」の判断をしました。難しい判断でしたが、そうすることが最も良いと考えました。このことについて何か聞きたいことのある人は、遠慮なく私の所に来て下さい。皆さんにお願いしたいのは、噂話や詮索はしないでほしいということです。今、コロナ禍の中で、心無いうわさ話や詮索がいかに多くの人を傷つけているか、私たちは日々、見ています。長野清泉の中ではそういうことは起きてほしくないと願っています。
ヒメオドリコソウ(本校ラファエラ館近くの土手にて 3月26日撮影)