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校長講話
202011.09
校長講話_NO.162「核兵器禁止条約、来年の1月発効へ」
先月の24日、核兵器禁止条約を批准(ひじゅん)した国・地域の数が50に達しました。「批准」とは、条約を国として認め、同意することです。50に達したことにより、核兵器禁止条約は90日後の来年、1月22日に発効することになりました。「発効」とは条約が力を持ち始めることです。
核兵器禁止条約は、核兵器を使用することはもちろん、「言うことを聞かないと核兵器を使うぞ」と相手を脅すことも禁じます。また、核兵器の開発、実験、保有も禁じます。
この条約の持つ力や条約そのものを疑問視する人もいます。しかし、来年の1月22日以降は、核兵器を持っていることは「国際法の違反」となるわけですから、今後の世界のあり方を大きく変える貴重な一歩が踏み出されたことに間違いはないと、私は思います。
世界で唯一の被爆国である日本は様々な理由から、この条約を批准しようとしません。2017年にノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」のベアトリス・フィン事務局長は、「唯一の被爆国で『核の傘』に守られている日本が禁止条約に参加すれば、アメリカの同盟国が雪崩を打って同調する転換点となりえる。」と述べました。皆さんに望みたいことは、まずこの出来事に関心を持つことです。そして、事実を確認していってほしいと思います。核兵器禁止条約とはどのようなものなのか、その条約に賛成の立場の人、反対の立場の人、それぞれの意見はどのようなものなのか、日本は批准しようとしないがその理由は何か、日本の姿勢は世界でどのように受け止められているのか、などを自分で調べてみましょう。
教皇フランシスコは「私たちはどのような世界を次の世代に、また生まれて来る子供たちに残そうとするのか。」と問いかけています。マザーテレサは「愛の反対は無関心である。」と言いました。まずは関心を持って、調べてみましょう。関心を持つ人が増えれば増える程、世界は変わっていく、それは歴史が教えていることでもあります。この問題に関連して読んでみたい本は図書館にリクエストして下さい。
(中庭の花 10月19日撮影)