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校長講話
202110.22
校長講話 No.194「地球温暖化と人間の影響」
今年の8月9日、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、第6次報告書を公表しました。ちなみに政府間パネルの「パネル」とは、「専門家の委員会」という意味です。今回の報告書でIPCCは、「人間の影響が大気や海洋、陸地を温暖化させてきたことは疑う余地はない」と断言しました。前回の2013年の第5次報告書では、温暖化と人間の影響について「可能性が極めて高い」と述べていましたが、今回は「疑う余地がない」と人間の影響をはっきりと認めたのです。
人は、18世紀、19世紀の産業革命以降、「より速く、より遠くへ、より便利に、より快適に」という生活の在り方を目指して、活動を続けてきました。現在はそのあり方を見直すべきだという人と、さらに今までの方向を推し進めるべきだという人とに分かれているように思います。意見の違いはあっても、現在の温暖化は人間の活動がもたらしたということは疑いのない事実です。野生生物の中で、地球温暖化の影響を受けて絶滅の危機にある種は4000種以上と言われています。「地球は人間だけのものではない」ということを改めて考えさせられます。「どうすればいいのか」と考えだすと途方に暮れてしまいそうですが、まずは温暖化に関心を持ち続けること、学ぶこと、政府・企業のすることを良く見て考えること、そして小さなことからでも個人の出来ることをしていく、ということを地道に続けることが大事かと思います。
先日、ノーベル物理学賞を受賞した眞鍋淑郎(しゅくろう)さんは、まだ地球温暖化が人々に関心を持たれていなかった60年前に、温暖化予測につながる研究を切り開きました。そして今朝の話の最初に触れた、気候変動に関する政府間パネルが1990年にまとめた、温暖化に関する第1次報告書の執筆者にもなりました。テレビで拝見した眞鍋さんの若々しさには驚かされました。これを機に眞鍋さんの取り組まれてきたことを学んでみたいと思います。
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