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校長講話
202112.01
校長講話No.197「若者の行動力」
今朝はその行動力に感心させられた二人の若者について皆さんに紹介します。
1人目は、首都圏から核廃絶を目指す「KNOW NUKES TOKYO(ノーニュークストーキョー)を設立した高橋悠太さんです。「KNOW NUKES」とは日本語にすると「核兵器の今を知ろう」です。高橋さんは今大学生です。広島県出身で高校3年生の2019年1月に、市民団体「核兵器を知りたい広島若者有権者の会」を設立しました。そして大学進学後も核兵器への関心を持ち続け、今年、学生団体「KNOW NUKES TOKYO」を作ったのです。日本は、世界で唯一の被爆国でありながら今年1月に発効した「核兵器禁止条約」には参加していません。高橋さんは、国連が定めた「核兵器の全面廃絶のための国際デー」である9月26日に、25歳以下を対象にしたアンケ―ト結果を基にまとめた提言書を発表しました。その提言書は「KNOW NUKES TOKYO」のホームページで見ることが出来ます。若者らしい率直な意見がまとめられた提言書です。皆さんにも是非見てほしいと思います。
もうお一人は、イギリスのグラスゴーで開催された、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に、現地まで行った高校生です。日本からは4人の高校生が「気候変動ユース会議」に参加するために現地入りしました。東京都の高校1年生、福代美乃里さんは、演説会場に向かう日本の岸田首相に手紙を渡そうとしました。手紙は、世界で撤退が相次ぐ石炭火力を日本でも廃止するように求めたものでした。連日報じられているように日本は石炭火力の廃止に後ろ向きで、前回に続き、地球温暖化対策に後ろ向きな国に贈る「化石賞」という極めて不名誉な賞に選ばれました。福代さんに手紙を差し出された岸田首相は足を止めずその手紙を受け取りませんでした。コロナ禍の中、日本からグラスゴーまでやってきた日本の主権者である高校生の手紙を受取ろうとしない首相には落胆させられました。
高橋さんの取り組む核廃絶にしても福代さんの前向きに関わる気候変動にしても、この地球に生きる私たちが抱える大きな問題です。その問題に真正面から向き合うお二人の姿勢に感銘を受けました。私たちも、まず「知り」、「学ぶ」ことを続けていきましょう。
柿の木(11月28日撮影)