2015年に国連サミットで採択されたSDGs（Sustainable Development Goals」）は、「持続可能な開発目標」ですが、皆さんも授業などでよく勉強していることでしょう。
2030年までに世界が達成するべき17分野の目標と、それを達成するためのターゲットが設定されています。

　このSDGｓの第一目標は「貧困をなくそう」です。

　おとといの10月17日は、1993年以来毎年記念されている、国連が制定した、「貧困撲滅のための国際デー」でした。貧困の撲滅を目指し、人権と人の尊厳を尊重することを呼びかけています。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は「持続可能な開発に向けた歩みは、達成への軌道から外れている」という記事を数年前にある新聞に寄稿しています。

　国連のSDGｓ報告２０２２の概要では新型コロナウイルス感染症により貧困対策における4年分以上の前進が帳消しになってしまったそうです。インフレの高騰とウクライナでの戦争により前進の軌道からさらに外れたとのことです。低収入労働者の割合は２０年ぶりに上昇し、８００万人の労働者が貧困へと追いやられたと報告しています。

　SDGｓの第一目標は他のすべての目標に深く関連しています。私たちの暮らす社会の今のあり方はこのままでよいのでしょうか。今の経済のあり方はこのままでよいのでしょうか。経済活動は私たちすべての人に関わります。

　フランシスコ教皇は、使徒的勧告「福音の喜び」という文書のなかで、「排他的であり、格差をつくる経済を拒否しなければなりません。この経済は人を殺します」（53番）とまで述べています。

　将来を担う皆さんに考えてもらいたいと思います。良い社会になるように、これからもよく勉強してください。