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清泉メッセージ
201309.24
No16「ハイジの祈り」
宗教科のMです。今日は、最近愛読しているハイジについてお話したいと思います。
皆さん、アルプスの少女ハイジはご存じですか。ハイジは両親を亡くし、スイスのアルプスの高原で生活するアルムおじいさんに育てられていました。しかし、ある時、ハイジは無理矢理、フランクフルトのお金持ちの家に突然連れてかれ、足の不自由なクララの遊び友だちにさせられます。クララの寂しさを知ったハイジはそばにいようと決心しますが、山へ帰り、おじいさんと一緒に暮らしたいという想いから、食事ものどを通らなくなっていきます。ここで印象深い場面があったのでご紹介します。
ハイジが悲しがっていることに気付いたクララのおばあ様は、ある晩、ハイジに言いました。「誰にも言えない悲しいことや困ったことがあったら、天の神様に聞いていただくの。そしてお助けくださいってお願いするの。だってね、神様は私達を苦しめているどんな悩み事にでも手を差し伸べてくださるのよ。あなただって毎晩、天の神様にお祈りして、いろんないいことにお礼をいって、わるいことからお守りくださいってお願いしているのでしょ、ね。」祈りを知らなかったハイジはこの日から毎晩、うちへ、おじいちゃんのところへ帰してくださるように一心にお願いしました。
しかし、しばらくするとハイジはお祈りをしなくなりました。おばあさんはその理由を尋ねると、ハイジは「お祈りを毎日しても神様はなんにもしてくださらなかった」と答えました。そこで、おばあさんはこう語りかけました。「ハイジ、そうじゃないのよ。あのね、神様はね、私達みんなの素晴らしいお父様なのよ。何が私達に良い事なのか、私達は自分ではわからなけれど、神様はちゃんとご存じなの。だから、私達に良い事でなかったら、お願いしてもかなえてくださらないのよ。でもね、だからといって、神様を信じないですぐに逃げ出したりせず、一生懸命にお祈りを続けていれば、もっといいことを授けてくださるのよ。神様はあなたのお祈りをちゃんとお聞きになっているわ。神さまはみんなの祈りをいっぺんにお聞きになることができるし、みんなのことをいっぺんにご覧になることができるの。だから神様なのよ。私達人間とはちがうの。あなたや私とはね。神さまは何があなたにとってよいことか知っていらっしゃって、きっとこうお考えになったのよ。もし今、ハイジの願いをかなえてやって、あとになってハイジがそれが良い事ではなかったと気づいたら、ハイジは泣いて、「あの時神様は私のお願いしたことを叶えてくださらなければ良かったのに。私が思っていたことではなかったわ。」というだろうって。神様はその時がきたら、助けてくださるわ。安心していらっしゃい。」おばあ様はそう言って、ハイジを元気づけました。ハイジは自分の部屋に走っていき、神様におゆるしをお願いして、どうか私をお忘れにならないで、また天から見下ろしてくださいますようにと一生懸命お祈りしました。その後しばらくして、クララのお父さんの計らいで、ハイジはアルムのおじいさんの元へ帰れることとなりました。
私は、このハイジを読みながら、祈りについて改めて深く考えさせられました。私達もハイジのように、祈りが聞き届けられないと、神様はいないんだ、だから祈ってもしょうがない。神様なんて信じないと考えることがありませんか。
しかし、ハイジを通して、今は祈りがかなえられなくても、その祈りが自分によいことであれば、神様は叶えてくださる時が必ずあるといことを教えてくれます。そして、自分が弱っている時こそ、人生という道を恐れず、自分を憐れまず、一歩でも前に進むことができるように助けてください。これも祈りになることをハイジは教えてくれます。だから、あきらめず、求め、祈り続けていくことが大切です。皆さんはどう思いますか。
(写真出典:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Heidi_Titel.jpg )