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清泉メッセージ

201504.25

No57「大切な子犬」

IMG_9571.JPG宗教科の部屋には「私の目にあなたは尊い。私はあなたを愛している」という聖書の言葉が額にかざってあります。神の目には、あなたは尊いと語られますが、すんなり受け入れられるでしょうか。私自身はと言えば、すぐに自分の欠点を思い、自らを簡単に尊いとは思えない現状です。

でも、そんな時、私はある少年の物語を思い出します。それは、ある牧師さんから教えてもらった話で、犬を飼おうとしていた、聡くんという少年の物語です。小学生の聡くんはある子犬がほしくてほしくてたまりません。それは、ペットショップで見つけた、ある足の悪い子犬です。3万円という値札がついていたので、聡君は一生懸命家のお手伝いをして、お小遣いをためました。ようやく3万円たまったので、ペットショップに買いに行きます。「おじさん、この子犬をください。」聡君は握りしめた3万円を手に、お店のおじさんに話しました。おじさんは毎日毎日聡君がその子犬を見に来ていたのを知っていたので、聡君の気持ちはよーく分かっています。その子犬を手にとって、おじさんは言いました。「この子犬がほしいんだね。いいよ、よくお金をためたね。でもね、この子犬は片足を悪くしているから、おじさん、まけてあげるよ。2万5千円でいいよ。」と。でも聡くんは3万円を握りしめて答えます。「いいよ、おじさん3万円払うよ。」「いやいや、いいよ、いいよ、2万5千円に、まけてあげるよ。」「ううん、まけてなんかもらわなくていい!3万円払うよ」「弱ったねぇ、2万5千円でいいのに。」2人とも一歩も引きません。

しかし、最終的に、聡君の勢いに負けて、おじさんは3万円を受け取ってしまいました。「まったく、まけるっていってるのに、変な子だね。」でも、おじさんは聡くんが、足の悪いその子犬を大切そうに持ち帰る姿を見て、ようやくその意味が分かりました。嬉しそうに子犬を抱えて帰っていく聡君をよく見ると、その自らの足を引きずりながら帰っていったのです。そう、聡君自身も足が悪かったのです。おじさんは一歩も引かなかった聡君の気持ちがようやく分かりました。聡君にとっては、足の悪い子犬だからこそ、どうしてもほしかったのです。

私達はそれぞれに、さまざまな痛みや苦しみをもっています。しかし、その痛みや苦しみは決して無意味なものではないと思います。キリスト教の神であるイエスはひとりひとりの痛み、苦しみを十字架の上で共に担う神です。私達と共に痛みや苦しみを共有される方です。「私の目にあなたは尊い。私はあなたを愛している」(イザヤ書43章4節)。その神の思いを、あらためて味わってみてください。

(4月25日、放送朝礼より。写真と本文とは関係がありません。)

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