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校長講話
201511.04
校長講話_35「晩秋を歩く」
先月、ある平日のお昼頃、学校を出て、長野駅に車で向かいました。学校から蔵春閣に至る道の両側の桜が赤く色づき、秋晴れのもと、葉がきらきらと輝いています。春の桜も良いでしょうが、この日の桜並木は満開の桜に匹敵するくらいきれいなものでした。
10月は記録的に雨が少なく、天気の良い日が続き、校舎の中から青空を見上げると、多分皆さんもそうだったと思いますが、「こんな天気の良い日に建物の中にいるなんて」という気持に襲われました。
もう秋も終わりで、今度の日曜日は立冬ですが、この前の土日に林の中を歩いてきました。歩いたコースを皆さんに紹介します。戸隠の中社から、小鳥ヶ池に行き、急な坂道を上ると、硯石という見晴らしの良い場所に出ます。硯石の「硯」は墨をする硯です。ここからは山並みが見渡せ、外国人のカップルが写真を撮っていました。後から行った僕たちににこやかな挨拶をしてくれました。戸隠の観光名所、鏡池まで、一本の道がずっと続きます。黄色になった唐松の細い針のような葉が道に積もり地面は見えません。歩くとふかふかしていて、山の秋の道の暖かさをあらためて感じさせられました。
鏡池はいつの季節でも素晴らしい表情を見せます。戸隠をバックにして、鏡池のほとりには白樺の林があり、秋の日を浴びると、白樺が銀色のオブジェのように輝く瞬間がありました。けれどもその時間は長くは続かず、すぐに移ろってしまいます。中社を出発し、鏡池まで行って戻ってくると丁度2時間です。山の中を歩く時は、熊よけの鈴を必ず身に付けたいものです。
翌日は、黒姫山のふもと、黒姫童話館の近くの林の中を歩きました。ここには御鹿池(おじかいけ)という池があります。牡の鹿と書くのではなく、御礼の「御」、御柱の「御」に鹿と書きます。この池は戸隠の小鳥ヶ池、鏡池とは趣が全く異なり、まさに林の中に、ひっそりと佇む池です。ここの林の中の道も様々な落ち葉で覆われていました。
「青空のもとを歩きたい。」という望みがかなって、少し、秋を味わう時間を過ごせました。皆さんにとっての秋はどうでしたか。
もうじき冬です。冬には冬の良さがあります。寒くはなりますが、冬の良さを味わいたいですね。
(11月4日、放送朝礼より。 写真:本校正門付近、11月4日撮影)