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校長講話
201601.22
校長講話_40「平和について」
昨年の11月に本校で行なわれた保護者対象講演会には、ジャーナリストの小林和男氏が講師としてお出でになり、「ロシアで学んだダメもと(=ダメでもともと)精神」の演題で講演して下さいました。世界の過去と現在を縦横に語られ、知的刺激に富む講演会でした。
その小林和男氏が先週の金曜日の信濃毎日新聞に「『平和は困る』武器商人たち」という文章を寄稿しておられます。その内容を簡単に紹介します。世界では未だに紛争、戦争が絶えない。ともすると、その紛争や戦争の政治的な理由だけに目が行きがちであるが、どんな紛争、戦争でも武器が使われる。その武器がまったく不足することなく、供給されている、そのことが大きな問題である。私たちは、世界の中の武器の流れに、目を向けて行かなければならない、という内容でした。
日本は、今まで「武器輸出3原則」を設けて、武器の輸出を厳しく制限し、武器を世界に拡散させないという姿勢を長年持ち続けてきました。小林氏はその姿勢はノーベル平和賞に値すると先の文章の中で述べています。しかし、世界の平和に貢献する「武器輸出3原則」を、現在の安倍政権は、昨年の4月に、事実上、ないものにしてしまいました。昨年の放送朝礼でもお話ししましたが、中学、高校生の皆さんは、今の日本でどんなことが行われているのか、また、これから何が行われようとしているのか、に強い関心を持ち続けてほしいと思います。
さて、今年、一人のシスターから頂いた年賀状に書かれていた詩を紹介して、今朝の話を終わりにします。
やさしい色使いの絵で、観る人の心を安らかにさせる、絵本作家の葉(よう)祥明(しょうめい)さんの詩です。名字の「よう」は葉っぱの「葉」、お名前の「しょうめい」は「しめす偏」に「羊」(ひつじ)の「祥」(しょう)に、「明るい」の「明」です。では、葉祥明さんの詩をお読みします。
争いは
武器ではなく
平安な心で
収めることが出来る
武器は
死と悲しみしか
もたらさない
平和は
平和な心から生まれる
もう一度お読みして、今朝の話を終わりにします。
(1月13日、放送朝礼より。写真:11月12日小林氏本校講演会より。)