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校長講話

201612.07

校長講話_65「難民たちのボランティアを通じて学んだこと」

581c5b1a4.jpg 先週は、本校にお二人の難民の方をお迎えしたことをお話ししました。今朝は引き続き、難民のことについてお話しします。先週の話でも紹介しましたが、お隣の修道院にいらっしゃるシスター高田が長く、難民受け入れのボランティアをなさっていますので、今朝はシスター高田よりお話を伺います。それでは、シスター高田、よろしくお願いします。

【シスター高田のお話】 

 この度は大橋校長先生からのお招きにより、皆さんにお話しできる機会を頂いたこと、とても嬉しく思います。私は、難民の方たちと関わることにより、数知れない豊かな経験をすることができました。特に、私が関わった難民たちはアフリカの国の人たちが多いので、アフリカという国が実は遠く見えたのですが、今ではすごく近い国の人々となって来ています。

 人類が最初に生まれたと言われているアフリカ大陸ですが、地図を見てみますと、海に囲まれ、大西洋を初めとして、インド洋、地中海、また、紅海にも囲まれていて、そこには美しい自然があることが容易に想像されます。また、古代エジプトの古い歴史的史跡があり、ピラミッドの魅力は私たちの想像を絶するものがあります。

 みなさんは、アフリカの国の数が幾つあるかを考えたことはあるでしょうか。私は56もの国から成り立っていることを知った時には、まさに、その国の数の多いことに、とても驚きました。しかも、国連開発委員会の発表によりますと、開発途上の国々の中でも、開発が非常に遅れている国として後発開発途上の国がその大半であることを知りました。英語では、least developed countriesと言いますが、最も開発が遅れている国が世界には49あります。このアフリカの56国の中では、34もの国が後発開発途上国に当っています。すなわち、その国々では、5歳以下の乳幼児の死亡率が高く、中等教育就学率が低く、また、大人の識字率が低いということなのです。私が出会った難民の中には小学校教育しか受けていない人がいますが、印象深いことには、その人たちの中には、頭脳が非常に明晰で、独学によって、英語やフランス語を流暢に話すことができ、また、きちんとした英語やフランス語の手紙を書き、日本語もとても上手に話せるようになる人がいます。

 難民たちと関わることにより、私は日本の国に生まれ、日々何不足せずに暮らし、また、平和な日々を過ごして来たことを当たり前に思っていたのに気付き、本当に恥ずかしい思いをしました。というのは、難民たちの大半は、戦争の渦や戦火の中、また、敵対する人たちに迫害されて、家族を失った人が多くいます。日本に、その人々は平和で安心できる生活を求めて来ているのです。日本の国には、言論の自由があり、すべての人の人権が尊重されるという平和な社会の恩恵があるのです。もし、皆さんが難民と思われる人たちに出会うことがありましたらば、どうか、暖かい言葉をかけてくださるようにお願いいたします。

(12月7日、放送朝礼より。

写真出典: 国連・UNHCR、HPより、ウガンダにある南スーダンよりの難民のキャンプ、
http://www.unhcr.org/news/latest/2016/11/581c93a54/south-sudan-actor-played-dead-save-life.html)

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