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201611.09
校長講話_62「11月9日、清泉にとって大切な日」
今日は11月の9日ですが、11月9日は5月18日と並んで、清泉にとって大切な、記憶しておくべき日です。以前、放送朝礼でお話ししました。中学2年生、3年生、高校2年生、3年生の皆さん、覚えていますか。11月9日は、ローマからの4人のシスターが日本に到着した日です。
今年の3月に発売された雑誌『東京人 清泉教育のあゆみ』の中にも記されていますが、80数年前の1932年に、ローマの聖心侍女修道会の本部に、一人の神父様から依頼がなされました。その依頼というのは、日本で、恵まれない子供たちのための教育をしてほしいというものでした。ついては、日本に聖心侍女修道会を設立してもらえないかとその神父様はシスター方にお願いをしました。ローマの修道会の本部ではそのお願いに積極的に応えることにしました。
1934年、昭和9年の6月に日本への宣教が正式に決定されました。当時、既に、スペインに清泉の学校がありましたが、シスター方が生徒たちに日本宣教のことを話すと、スペインの清泉の女子生徒たちは興奮し、喜び、家でさっそく親に伝えたそうです。そして、生徒、保護者から多額の寄付金が集まったと言います。
1934年10月11日、4人のシスターがローマを出発します。現在はローマまでは飛行機で12、3時間でしょうが、80数年前の当時は全く事情は違います。夜行列車でヴェニスへ。ヴェニスから船で地中海を東へ、エジプトへと向かいます。エジプト到着は10月16日。次はインドのボンベイ(現在はムンバイ)を目指し、ムンバイには10月24日に到着。10月30日、シンガポール、11月3日、香港、そして82年前の11月9日に無事に横浜に着きました。当時は29日間の船旅でした。
そこから、シスター方の困難な日々が始まります。もうお読みになった方もいると思いますが、その当時のことについては是非、『東京人』を読んで知ってほしいと思います。当時のシスター方は長野の地に清泉の学校が出来るということは夢にも思っていなかったに違いありません。ただ、「日本で教育をしたい。」という熱い思いはどんな困難な時にあっても持ち続けていたのです。今月は、皆さん一人一人が当時のシスター方の思いに心を向けてほしいと思います。
(11月9日、放送朝礼より。 写真: 本日、11/9職員室の窓から城山公園を臨む。)