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校長講話
201412.03
校長講話_12「國弘正雄先生のこと」
1969年、東京オリンピックが行われた1964年の5年後ですが、アメリカの打ち上げたアポロ11号が人類史上初めて月面に着陸しました。國弘先生はその時のテレビ中継で同時通訳をして、「同時通訳の神様」とも言われたほど、英語の力のある先生でした。
私は10数年前の夏、研究社という出版社の主催する夏期セミナーに参加しました。その時の講師の先生のお一人が國弘正雄先生でした。先生は英語の先生たちの自己研修、つまり、自分でどのように日々の勉強をしていくかについて、お話をなさったと記憶しています。90分程のご講義の後、質問の時間をおとりになりました。こういう時になかなか質問はしにくいものです。一人の参加者が手を挙げて、質問しました。國弘先生はその質問にお答えになりました。そして壇上から降りると、その質問者のところに歩み寄って行き、「ありがとう。」と言って先生がお書きになった辞書をプレゼントしました。そしてすぐに壇上にお戻りになりましたが、そこにいる参加者全員に「質問するということはとても大切なことだ。」という強いメッセージが伝わってきました。また、言葉にはなさいませんでしたが、質問をすることは、講演者を喜ばせるものだということもお教えになったのだと思います。私は今でもなかなか勇気を出して質問するということが出来ませんが、講演会などで質問の時間になると、國弘先生のことを思い出すことがあります。
本屋に行けば國弘先生の本がきっと見つかります。英語が得意の人もそうでない人も、是非一度手に取ってみて下さい。
(写真出典:ttp://www.poplarbeech.com/danwa/002455.html)