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校長講話

201507.08

校長講話_28「大丈夫? 日本の大学」

IMG_9704.JPG 昨日の放送朝礼では、先月の文部科学大臣の「通知」について率直な心配の気持ちが述べられました。

 私も同じ心配を抱いていますので、今朝は昨日の放送と関連する話をしたいと思います。文部科学大臣の国立大学への通知は、「教員養成学部や人文社会学部・大学院を、組織の廃止や社会的要請の高い分野に転換する」ことを求めています。そして、積極的に取り組む大学に予算も重点的に配分するということです。企業で役に立たないと思われる勉強はやめて、日本の産業、経済に役立つものを大学で学びなさい、ということです。大学のあり方を根本から変えてしまうようなことを、「通知」で済ましてしまうことに、驚きを感じます。

 6月28日の信濃毎日新聞では、滋賀大学学長佐和隆光先生が、イギリスのオックスフォード大学などの例を挙げ、今回の文部科学省の通知を「時代錯誤」と断じ、次の様に述べています。記事の一部をお読みします。

 「学術・科学を産業の僕(しもべ)にすべしとする、1960年代の高度成長期以来の経済至上主義ドグマ(信条)―ドグマとは「独断的な説」のことですー、欧州(ヨーロッパ)のスタンダードからすれば下品極まりないドグマが、今もってこの国では健在なのだ。」 

 先日も、皆さんには、是非新聞を読んで、今日本で起こっていることについて考えてほしい、ということをお話ししました。誤解のないように言っておきますが、今お読みした新聞記事も一つの考え方です。大事なことは、新聞や本などで色々な人々の考え方に触れ、皆さん一人一人が自分で考えるということです。

 このわずか半年ほどの間に、これからの国のあり方に関わるとても大事なことが次々と決められようとし、そのことに多くの人々が心配、不安、反対の声をあげているのは事実です。

 私はそれらのことが、皆さん一人一人に関わる大事なことだと思っています。昨日の放送朝礼で「皆さんはどう思いますか。」と呼びかけがありました。友だち同士で話が出来たらいいですね。

(6月8日、放送朝礼より。写真と本文とは関係がありません。)

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