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201606.29
校長講話_54「宿題より大切なこともある その3」
7月10日の参議院選挙を目前にして、先週の金曜日のお話しに続いて、私も一言選挙についてお話ししたいと思います。
選挙権年齢が18歳以上になり、昨年から「主権者教育」ということが度々言われています。皆さんも以前よりも選挙を身近に感じているかもしれません。
私は、「主権者教育」は今も、昔も、行われている、と考えています。私が子どもの頃、良く先生や周囲の大人から「新聞を読め」と言われました。皆さんも、今、大人から「新聞を読め」と言われることがあるでしょう。私もこの放送で何回か言ったように思います。これは、昔も今も変わらないことです。今が昔と違うのは、テレビの報道番組の多さに加えて、インターネットで簡単に情報が得られるということでしょうか。
大人が、皆さんに「新聞を読め」ということで、大人は皆さんに何を求めているのでしょうか。入試の小論文に役立つから、といった目先の利益を得るためではないはずです。それは、多分、「あなたが暮すこの国のあり方に関心を持て」ということなのでしょう。政治欄、経済欄、スポーツ欄、文化欄、三面記事、どの記事を読んでもその背後にはこの国のあり方が横たわっています。主権者にとって最も大切ななことは、自分たちが住む国のあり方に関心を持つことだと私は考えます。
テレビの報道番組も悪くはない、インターネットの情報も便利だと思います、が、私にはテレビ、インターネットの情報には、全てとは言いませんが、表面的なものが多いように感じられてしまいます。周囲に流されないで、自分のものの見方を育てていくには、まず新聞をしっかり読んでみること、さらに関心を持ったものは図書館で関連した本を借りて読んでみる、という時間のかかることが必要です。
どんな問題でも「手っ取り早く理解することは出来ない。」ということは忘れないでいたいものです。皆さんも「手っ取り早い」ことより、「時間のかかること」を選ぶ学生であってほしいと思います。
(2016年6月29日、放送朝礼より。本文と写真は関係がありません。)