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校長講話

202008.22

校長講話_NO.152「隣人を自分のように大切にしなさい」

 昨日の始業式では、日本赤十字社が3月に出したメッセージ、「3つの感染症の顔」についてお話ししました。昨日の聖書の箇所をもう一度、お読みします。新約聖書 マルコによる福音書 1228節~31節です。では、お読みします。

 彼らの議論を聞いていた一人の律法学者が進み出、イエスが立派にお答えになったのを見て、尋ねた。「あらゆる掟のうちで、どれが第一でしょうか。」イエスはお答えになった。「第一の掟は、これである。『イスラエルよ、聞け。わたしたちの神である主は、唯一の主である。心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』第二の掟は、これである。『隣人を自分のように愛しなさい。』この二つにまさる掟はほかにない。」

 この「隣人を自分のように愛しなさい。」という短いイエスの言葉は有名です。そして、イエスの教えの本質を表している、と言っても過言ではないでしょう。「隣人を自分のように愛しなさい。」、この言葉を聞いて皆さんはどう感じますか。「隣人を自分のように愛する。」、具体的にどうすることだろうか、と考えだすと、とても難しいことを言われているような気がしてこないでしょうか。

 わたし達の学校が毎年夏にボランティアをさせて頂いている岩手県の大船渡にお住いの、クリスチャンで医師の山浦治嗣先生は、「愛する」の翻訳前の言葉、ギリシア語の「アガパオ―」は、日本語の「大切にする」、「大事にする」に近いと仰っています。「隣人を自分と同じように大切にしなさい。」、このように言われると、胸にすとんと落ちます。

 昨日、お話ししたコロナウイルスの3番目の感染症「嫌悪、偏見、差別」は、この「隣人を自分と同じように大切にする。」という気持ちが全く欠落してしまっている結果、起こってしまうもののように思えます。イエスは社会の中でも特に弱い立場にいる人、弱い立場に追いやられてしまっている人たちを大切にしました。イエスの言葉を実行することはとても難しいことですが、実行しようとする人が増えれば、私たちの暮らす社会は確実に変わっていくのだと思います。

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サルスベリの花(2020/8/7撮影 城山小学校そばで) 

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