お知らせ
News 校長講話
校長講話
202009.01
校長講話_NO.153「信濃美術館のこと」
今朝は、来年の4月の開館に向け日々工事が進み、だんだんとその姿を現してきた長野県信濃美術館のことをお話ししたいと思います。賛否両論のある話題です。私は、どちらの立場かを明らかにしますが、もちろん、それを皆さんに押し付けるつもりはありません。是非、皆さんがそれぞれに賛成か、反対かを考えてほしいと思っています。
皆さんは、「信濃美術館」という今までの名称を「長野県立美術館」という新しい名称に変更するという案が出ていることをご存知ですか。信濃毎日新聞に、「建設標」という投書欄があります。8月5日に大町市在住の28歳の男性の「『信濃』の名、残ることを願う」という投書が載りました。この若者は、「長野県立美術館」という名称変更には反対だと述べ、次の様に記しています。お読みします。
「この土地の歴史を背負った『信濃』の名を安易に外すことが大きな損失だと考えるからです。」
私は、賛成か反対かと問われれば、「信濃美術館の名称」は変更しない方がいいのではないかと考えます。理由は幾つかありますが、その一つは、上記の若者が言うように『信濃』という名前の持つ歴史です。皆さんは『古事記』という本を知っているでしょう。日本で最も古い文学作品とも言われています。その最初の方に、天照大御神(アマテラス・オホミカミ)や大国主神(オホク二ヌシのカミ)の登場する有名な「国譲り」の場面があります。そこに科野国(しなののくに)が出てきます。このような歴史を持った「信濃」という名称をあえてはずす理由はないように思うのです。
また、「信濃の国」という県歌を県民のほとんどが歌えるということは、日本の中でも非常に珍しいことだと、聞いたことがあります。長野県民には「信濃」は特別な響きを持つように思います。
始めにお断りしたように、賛否両論、様々な意見があり、「名称を変えた方が良い」という方の理由も多々あることと思います。尚、名称変更する場合は、県会の9月定例会に提出する設置条例案に入れる方針とのことです。
皆さんは、名称変更について、どう考えるでしょうか。
全体像が見えてきた美術館(2020年8月28日撮影)