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校長講話
202109.22
校長講話_NO.192「前川喜平さんのこと」
来月の2日の土曜日、長野市芸術館で「長野清泉講演会」が行われます。今年は講師に前川喜平さんをお招きします。皆さんは前川さんのことを聞いたことがありますか。喜平の喜は「喜ぶ」の「喜」、「平」は「平和」の「平」です。前川喜平さんは長年文部科学省で官僚として教育行政に携わり、最後は事務方のトップ、事務次官を務めました。
先日、菅首相が退任を発表し、そのニュースは驚きをもって迎えられました。少し日本の政治状況を振り返ってみます。これから話すことは私の見方ですので、別の見方をする人も当然いるでしょう。皆さんは出来るだけ色々な見方に触れることが大事です。私の意見も皆さんの考えをまとめる際の参考にしてもらえれば嬉しいです。
菅首相の前は安倍晋三氏が首相を務め、その内閣は2012年12月6日から2020年の9月16日まで約8年の長きに渡りました。この8年間菅氏は官房長官として安倍内閣を支えました。安倍長期政権の中で幾つかの大きな問題が生じそれらは現在に至るも解決されたとは言えません。大きなものは3つ、「森友学園問題」、「加計学園問題」、「桜を見る会問題」です。未だに全容が明らかにされていない状況です。
一連の問題で私が非常に残念なのは、問題そのものだけでなく、政治家の方々、官僚の方々の姿勢です。民主主義は国民、つまり私たちが主権者なのですから、生じている問題について、政治家の皆さんも役人の皆さんも国民の方を向き、丁寧に自分の言葉で説明する義務があります。それは特別なことなのではなく当たり前のことです。
しかし、菅内閣も含めこの9年間、「国民に丁寧に説明しない」姿勢がずっと続いています。2017年の流行語大賞には「忖度」という言葉が選ばれるという、とても情けない事態になりました。今回講演をして頂く前川喜平さんは、そうした状況の中で「事実はこうだ」ということを勇気を持ってはっきりと述べた数少ない関係者の一人です。
今、図書館前に前川さんのコーナーが出来ています。前川さんの本と共に2017年5月にたった一人で政権に立ち向かった時のニュースも展示されています。是非、足を止めて読んでみて下さい。
図書館前の前川氏紹介コーナー