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校長講話
202108.04
校長講話_NO.191「言葉の持つ響きについて」
今朝は言葉の持つ響きについてお話します。
まずは英語についてです。これから、2つのグループ、6つの英単語を読みます。
まず、一つ目のグループです。stone, statue, strong. 「石」、「像」、「強い」の意味です。どの語も”st”で始まっています。stone, statue, strong.
二つ目のグループです。flower, flow, flag. 「花」、「流れる」、「旗」です。どの語も”fl”で始まっていますね。flower, flow, flag. 一つ目の”st”ではじまる語、stone, statue, strong は「どっしりとした」印象を与えます。それに対して、二つ目のグループのflower, flow, flag は「風になびく花」、「流れる」、「かぜにはためく旗」など、「流れる」ようなイメージを与えます。
次に日本語です。二人の女優さんの名前を挙げます。常盤貴子さんと吉永小百合さんです。常盤貴子さんは名字に「と」と「き」、名前に「た」と「か」とタ行、カ行の語が使われていますので、シャープな感じがします。吉永小百合さんの方は、名字に「よ」や「な」、名前に「ゆ」や「り」が使われていますので柔らかい感じがします。
次の日本語の単語を「響き」に注意して聞き比べてみて下さい。「かじる」と「なめる」、「たたく」と「なでる」、「こする」と「ふく」、カ行、タ行で始まる「かじる」、「たたく」、「こする」はちょっと強い響き、ナ行、ハ行で始まる「なめる」、「なでる」、「ふく」は柔らかな響きを感じます。
「心のうた」、132ページをお開き下さい。3番の歌詞を見ると、「星のにおえる」とあります。116ページを開いて下さい。1番の歌詞、2行目に「星のみ匂いて」とあります。この「におう」はどのような意味でしょうか。「匂う」は「輝く」、「照り映える」の意味です。
さて、「星が輝く」と言った場合と、「星が匂う」と言った場合では、随分言葉の響きが異なります。「匂う」は大和言葉です。想像するに、昔の人は夜空にまたたく星を柔らかなものとして受け取っていたのではないでしょうか。
最後に本居宣長の歌を紹介します。
「しきし嶋の やまと心を 人問はば 朝日ににほふ 山ざくら花」
「朝日にひほふ」の意味はもうおわかりですね。
ヒルガオ(7月28日 本校そばの土手にて)