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清泉メッセージ
201609.15
No107「未来を旅する『ひたむきな』ハーモニー」
既に用意した、今回の放送朝礼の原稿を替えて、今、語りたいことを語ります。それは、一昨日の合唱コンクールについてです。本当に素晴らしい歌声でした。ひたむきな合唱。心を強く打たれました。特に高3の5クラスの歌声は特筆に値すると思います。あの歌声に賞の優劣をつける意味がどれだけあるのかとも思いました。今でも、合唱コンクールの余韻に包まれている感がある。まさしく「コンクールが終わっても」であります。
思えば、クラスでひたむきに何かに取り組むことほど、素晴らしいことはないと思う。これは理屈ではありません。私の信念です。数十年前にそうだった私の高校時代からの、そして今、長野清泉の教師としての確信でもある。クラスで何かにひたむきに取り組むこと。そこに涙が、そして感動が生まれる。
敢えて申します。クラスで、何かにひたむきに取り組むことよりは、どちらかと言うと平穏無事に、当たり障りなく、行事を終えようとする雰囲気が、どこかにないか。「ネット社会」が侵食し、「友だち地獄」とも称されるクラスメートとの関係の中で、まず「やさしさ」を求めるあまり、どこかで「ひたむきさ」が後退しているのではないか。私もかつてずっと担任を務めた者として理解はするのですが、どうも担任というものは、クラスの生徒同士の衝突を恐れる余り、過保護になり、また神経質になっている面があるのではないか。ひたむきにクラスで事を行おうとすると、ぶつかるのは当たり前です。それを恐れてはならないと思う。
私は合唱コンクールになると思い出す、ドリカムの歌があります。2004年、今から12年前のNコンの小学校の部の課題曲です。「未来を旅するハーモニー」です。
こんな情景が歌われている。コンクールでの歌が、ひたむきに歌ったハーモニーが、コンクールが終わっても消えない、そんなモチーフが歌われている。生徒が先生に訊くのです、「先生、本当ですか?『このハーモニーも コンクールが終わっても 消えないの?』」。
きっと消えない。ひたむきに歌ったハーモニーは消えない。「宇宙を漂う」ように、「未来を旅するように」、一人ひとりの心の中で、そのハーモニーは生涯、消えない。人生のつらい時に、そのメロディーがよえがえってくるのです。合唱コンクールで、ひたむきに歌った皆さんの歌声は、消えないのです。最近のTVドラマですが「仰げば尊し」の「県立美崎高校」の演奏も消えない。「どんな声も音も歌も どこまでも昇って宇宙を漂う」 「卒業しても 会えなくなっても どこかで旅つづける メロディー」。
来年の合唱コンクールで、なお合唱を歌える皆さん。消えないメロディーを、未来を旅するハーモニーを、奏でてください。何事にも全力でひたむきに励むのです。
「未来を旅する」、皆さん一人ひとりの旅路が、祝福されますように!
(2016年9月15日、放送朝礼より。 写真:2016年度合唱コンクールより。)