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清泉メッセージ

201612.01

No114「焼き鳥のススメ」

11401.jpg今日私がするお話は、「焼き鳥のススメ」です。

焼けた炭に滴り落ちる油が、煙となってその身を包み、何とも言えない香りをまとう焼き鳥。それは、口に入れるとジューシーな風味とともに口中に広がり、…ああ、ビールが、止まりません。

ある日、私はいてもたってもいられなくなって、焼き鳥屋に食べに行きました。とてもおいしかったです。ところで、そのお店では、もも1本180円でした。そこで私は考えました。自分で、また焼いてみようかなぁ、と。また、というからには、一度家で串打ちからやったことがあるのですが、そのとき、ひとつトラウマが生まれたのでした。肉を切り、いそいそと串を売って、グリルで焼きました。事件は、その時起きました。なんと、持ち手となるはずの部分が、すべて焼け落ちてしまったのです。絶望が、私を包みました。それ以来、家では焼き鳥を避けてきたのです。

前回の反省を生かすべく、私は考えます。持ち手にアルミホイルを包むか。手間だなぁ。どうしたものか。皆さんなら、どうしますか。私は、閃きました。串をあらかじめ水につけておくことにしたのです。その工夫のおかげで、無事、私は、家で焼き鳥を堪能することができました。一本、30円で。

店で食べて1本180円。手作りで1本30円。この差の意味を明確にするために、さらに考えます。スーパーの総菜コーナーで売られている焼き鳥。大体1本100円前後。冷凍コーナーで、串打ちまでやってあり、あとは焼くだけの商品。大体1本70円前後。こう並べてみると、単純に焼き鳥の値段、としての比較ではなく、串打ちなどの用意の手間の値段、焼くまでの調理の手間の値段、炭火かガスかなどの、調理の方法の値段など、様々なコストが比較できます。時間と、手間と、場所と、お金と、味と。自分は何を重視して、今日の焼き鳥を求めるのか。こうやって考えを巡らせているとき。私は、楽しくて仕方がありません。

たった一本の焼き鳥ですが、今回話した焼くときの失敗に対しての工夫や、値段についてなど、考えを深める切り口はたくさんあります。日常は、そういった、考えてみると深まってくるものにあふれています。あれこれ考えるの、楽しいですよね。ぜひ皆さんも、いろいろなものを深く考えて過ごしてみて下さい。料理なんか、特におすすめです。

最後に、おいしい焼き鳥ですが、食べすぎにはくれぐれも気をつけてください。私が言うと、説得力があるでしょう?

(12月1日、放送朝礼より。写真と本文は関係がありません。)

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