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清泉日記

201301.17

No25「心のふるさと―放送室の現場から」

 毎週、木曜日は教員が輪番で放送朝礼を担当しています。聖心館の2階の教室に囲まれた放送室がその現場です。ここで生徒へのメッセージが紡がれています。今日の講話は、ある若い女性の先生 ―どうやらあるアイドルグループのファンであられるようですが― 彼女が年末の紅白歌合戦をめぐって話されました。以下が全文です。


130117_1.JPG 今朝は年末に紅白歌合戦を見て感じたことをお話しします。

 私の実家はここから1時間ほどのところにあります。(近いです。) 昨年も年末は実家に帰り、くつろいで紅白歌合戦をみました。みなさんは紅白をご覧になりましたか?

 昨年の紅白は嵐の皆さんと梅ちゃん先生の司会で行われ、とても内容の濃い番組になりました。そのプログラムの中で、嵐の皆さんは「ふるさと」という歌を歌いました。曲紹介では世界で活躍している5人の日本人に会いに行き「あなたにとって、ふるさととは何ですか?」という質問をしたことを話してくださいました。

 101歳の医師・日野原重明さん。ふるさとを思うことで人の情緒は豊かになり、夢を実行する勇気が生まれるとおっしゃいます。そんな日野原さんの言葉です。「ふるさととはいつも心の中にある。」

 「人間国宝に認定された歌舞伎俳優・坂東玉三郎さん。幼い頃両親と見た風景、食べた料理の味、木々や花の匂い。そんな記憶の温もりが芸の原点になっているそうです。玉三郎さんにとってのふるさと、それは「家族そのもの」。」

 「中国で育った映画監督の山田洋次さんには、ふるさと、と呼べる場所がないそうです。あえて言うなら寅さんの葛飾柴又。「ホッとさせてくれる人がいればそこがふるさとになる。」監督が撮り続けたのは日本人のふるさとでした。」

 長野県出身の前衛芸術家・草間弥生さんは家族の大反対を押し切って日本を飛び出しました。世界で成功を納め、帰郷して信濃路の雪景色を見た時、大いなるやすらぎに包まれたそうです。草間さんにとってのふるさととは、「よみがえる記憶」。

 そして相葉さんがインタビューした宇宙飛行士の星出彰彦さんの言葉に私ははっと気づかされました。「地球から遠く離れた時、帰りたいという気持ちは会いたい人がいるという思いから生まれてくることに気がついたそうです。星出さんは言います。「この美しい惑星に生まれてよかった」。

 ふるさとに帰りたいという気持ちは、会いたい人がいるという思いから生まれてくる」この言葉が私にはとても新鮮でした。私には無い考え方でした。会いたい人がいるからふるさとに帰りたい。考えてみれば、その通りですね。皆さんもこれから、今いるふるさとを離れていく時期があると思います。離れてみて実感するのは、家族のありがたみだったり、家族のいない寂しさだったり、優しさだったり・・・。冬休みは改めて、ふるさとについて考えるよいきっかけになりました。嵐のみなさん、ありがとう。


130117_3.JPG 以上です。さて、明日から1月選抜。学校内も雪景色です。明日の天気が気になります。土曜日にはセンター試験もあります。それぞれの受験生の皆さん、全力を尽くされますように。ご多幸をお祈り申し上げます。<担当:広報部_N>

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