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清泉メッセージ
201401.24
No26「ある教師のメッセージ」
あるクラブの話を紹介します。そのクラブは大会に出ると毎回1回戦負け。負けることになれてしまい、普段の練習も好きなことばかりをやっていました。そこに新しい顧問の先生がいらっしゃいました。顧問の先生は毎日走ることだけを指示しました。「もうだめだっていうぎりぎり限界まで走りなさい。最後の最後に手を抜く癖をつけてはいけない。」部員は陰で顧問への不満を言います。練習は効率よく、自分たちには自分たちのやり方がある。
ある日、顧問の先生が練習に遅れるという情報がきました。部員はラッキー、練習メニューを勝手に減らしてしまおう、と言いました。そこへ、顧問の先生からの練習メニューが届きます。いつもより走る量はさらに追加されていました。こんな練習、やる必要ないという部員がいました。いじめだという部員もいました。しかし、一人だけ、走る、という言葉を口にした部員がいました。そして走り出します。皆、つられて走り出します。中には文句をいいながら。その部員は走りながら自分に「問い」かけます。この足は誰の足か。誰の意志で動いているのか。そして結論づけます。自分の足だ、走らされるな、と。
顧問の先生はその姿をみていました。全員を集合させて言います。「自分の仕事はチームを強くすること。ただ、それだけだ。これは「強要」ではない。この世界には「やらされている」なんて言葉はない。どんなにきつい練習だろうが、どんなに理不尽な要求だろうが、最後に決断して動くのは自分自身。決断をするということは自らに責を課すということ。人のせいになんてしてはいけない。嫌ならやめるといい。強くなりたい人だけついてきなさい。」と。その部員は言いました。「強くなりたい」と。
みなさんは、命を授かり、十月十日を経て、だれもが「期待されて」この世に生まれてきています。たとえ、この10数年間で多くのことがあっても「期待されて」産まれてきて、今もだれもが期待されています。先生方はみなさんに期待しています。自分自身の力を信じ、自分にも期待してください。私自身、今も自分自身に期待しています。皆さんにはどんなことも乗り越えられる力が備わっています。受験生の皆さん、全校の皆さん、そして中2暁のみんな、先生は、この学校の先生方は皆さんに期待をして、多くのことを伝え、ときに行動で示し、皆さん一人一人を全力で応援しています。このことを忘れないでください。
今、聞いていますか?聞かされていませんか?その耳はあなたのものです。今日も自分自身の頭で考え、自分自身のからだで多くのよいものを身につけていきましょう。強くなるために。
(写真と本文とは関係がありません。)