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清泉メッセージ

201603.31

No74「ノーベル賞ウィークにちなんで」

IMG_5820.JPG今週は、ノーベル賞ウィークとなっており、次々と本年度の受賞者が発表されています。
昨日は、Sr前田から、日本人の2人の受賞者のお話をうかがいました。今日は、ノーベル賞がどのように始まったかについてお話しします。

ノーベル賞は、ダイナマイトの発明者として知られるアルフレッド・ノーベルの遺言に従って1901年から始まった世界的な賞です。5分野+経済学で顕著な功績を遺した人に贈られます。経済学だけはノーベルの意向とは関係なく、死後70年後に、金融機関の後押しにより、設立されました。5分野とは、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和、そして経済学です。
 
ダイナマイトをはじめとする様々な爆薬の開発、生産によってノーベルは巨万の富を築きました。建物の解体などのために考えられたものでしたが、後に戦争にも使われるようになり、一部から批判の声が上がっていました。1888年に兄が死去し、このときフランスの新聞が、アルフレッド・ノーベルが死去したと取り違え、「死の商人死す」との見出しで報道したそうです。
 
自分の死亡記事を読んだノーベルは、困惑し、死後、自分がどのように記憶されるかを考えるようになりました。1896年12月10日に63歳でノーベルは死去しますが、遺言は、死の1年以上前の1895年11月27日に、パリのスウェーデン人・ノルウェー人クラブにおいて署名されました。この遺言においてノーベルは「私のすべての換金可能な財は次の方法で処理されなければならない。私の遺言執行者が安全な有価証券に投資し継続される基金を設立し、その毎年の利益について、前年に人類のために最大たる貢献をした人々に分配されるものとする」と残しています。彼が遺言のために残した金額は、彼の総資産の94%、3,100万スウェーデン・クローナ(1クローナ=14.25円で約450億円)になります。
 
ノーベル賞の定数は、一度に一人と定められており、基本的には個人にのみ与えられる賞ですが、共同研究は、3人まで同時受賞できるそうです。ただし、同時受賞の立場は対等とは限らず、受賞者の貢献度に応じて賞金が分割されると聞きました。

今回の大村智教授は、共同受賞であり、1億2000万の半分が中国出身のトゥ・ユーユー氏に、もう半分を大村氏とアメリカのウィリアム・キャンベル氏で分けることになります。平和賞のみ団体賞が認められており、過去に「国境なき医師団」の受賞があります。

日本のノーベル賞受賞者は、1949年の湯川秀樹を始めとし、今年度までに、物理学賞11名、化学賞7名、生理学・医学賞3名・文学賞2名・平和賞1名の合計24名が受賞しています。専攻は、秘密裏に行われ、その過程は受賞の50年後に公表されることになっています。文学賞は、現地時間の今日の午後1時にスウェーデン・アカデミーから発表される予定です。

(2015年10月9日、放送朝礼より。写真と本文は関係がありません。)

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