メニュー

お知らせ

長野清泉女学院中学・高等学校 > >

News 清泉メッセージ

清泉メッセージ

201603.31

No77「時間に限りがあるように」

DSCN3193.JPG少し前の映画になりますが、皆さんは「世界の中心で、愛をさけぶ」という映画を知っていますか。17歳の高校生カップルが、白血病という病を前に、どう生と死を受け止め、最後の瞬間を共に過ごすか、という物語です。「セカチュー」と略されてブームになり、平井堅さんの主題歌「瞳をとじて」も大ヒットしました。私たちは普通に生活していると、自分や周りの人の死というものは漠然としか想像できないと思います。でももし自分があと一週間しか生きられないとしたら、その現実をどう受け入れ、残りの一週間をどう過ごそうと思いますか。また、自分の大切な人があとわずかしか生きられないとしたら、その人とどう過ごし、その人の死後、自分はどう生きようと思いますか。

長野県と群馬県の県境に、嬬恋村というキャベツの生産で有名な村があります。妻に恋する村、という名前の由来があり、先ほどの映画をモジって「キャベツ畑の中心で妻に愛をさけぶ」略して「キャベチュー」というイベントが行われています。日頃なかなか言えない奥さんへの感謝の気持ちや、まだ伝えていないプロポーズの言葉などを、広いキャベツ畑の真ん中に作られた高台の上から、男性が大声コンテストさながらに叫ぶのです。10年前に始まり、先月ちょうど10回目のキャベチューが開催されたようです。私はこのイベントを3年前にテレビでたまたま見て知りました。そしてある年配のご夫婦の言葉に涙が止まらなくなりました。長い人生を共に歩んできた奥さんに向けて叫んだ、旦那さんの愛の言葉の一部を紹介します。

「露天風呂に入って、2人で流れ星を見たことがあるね。それから、高原の湖で雨が上がって、きれいなエメラルドの七色の虹を見たことがあるね。いつも2人は横に並んでそれを見ていた。けれど、僕たちももう年だ。やがて2人でそれを見ることができない日が必ず来る。横を見ると僕がいない。または、君がいない。そんな日が来る。もし僕が生き残ったら、再婚したりはしないよ。僕は君との日々の思い出を胸に抱いて、ひそかにひそかに生きていきます。愛してるよ。」

11月は死者の月に定められ、追悼ミサも行われました。時間に限りがあるように、命にも限りがあります。お父さんやお母さん、大切な人のことを思って過ごしたい月です。

(2015年11月19日、放送朝礼より。写真と本文とは関係がありません。)

Contactお問い合わせ

お気軽にご相談ください。

Tel.026-234-2301

Fax.026-234-2303

error: Content is protected !!