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清泉メッセージ
201603.31
No86「『おはようございます』!」
「おはようございます。」みなさんは、今日、学校へ来る途中そして学校に入って何度「おはよう」と言いましたか。いちいち数えていません。だって、すぐ、「おはよう」との言葉が口から出るんだもの。いや、私は「おはよう」の言葉がなかなか出ませんという人もいるかな。
さて、私、車で長野市の隣の町、千曲市から通っています。その途中に2キロメートルくらいほぼまっすぐにのびる道路区間があります。道路には電信柱が30メートルくらい間隔で並んで立っています。この冬の時期、学校へ来るとき右側に並ぶ電信柱のてっぺんにときどき目をやりながら車を走らせます。すると遠くからてっぺんに小さな塊が見える時があります。ああ、いるかなとの期待に胸が弾みます。100メートルくらいまで近づけば、それが私の待ち望むものかどうかはその塊の形でわかります。それが、太いビール瓶のようであれば当たり。塊に細長いものが見えたらはずれ、細長いもの、それはカラスの尾羽です。はずれと言われたカラスには何の罪もないのだけれど、私が待っているものは、ノスリというワシやタカの仲間の鳥です。電信柱のてっぺんにしっかりとまっすぐ立っているその姿を下から双眼鏡で見上げると胸は全体に白く胸元やや下に褐色の斑点が入っていてとても美しい。はやりの言葉で言えば、「クール」。
さて、目当てのノスリがいたときには、その下を通過するときノスリに向けて「おはよう」と言います。聞こえたかどうか、たとえ聞こえたとしても、彼か彼女にはその言葉は通じないと思います。でも、言いたくなります。この冬の寒い朝、-3℃の寒い中、食べ物となる小動物が地上で動き出すのをじっと待っている。その姿勢のよいクールな立ち姿に向かって、頑張っているな、頑張れよと声をかけずにおれません。
この姿を見るようになって2年目です。ということは、昨年の厳しい冬も乗り越え今年の冬も姿を見せているのです。だからこそです。私が、みなさんへの「おはよう」も同じ思いです。頑張っているな、頑張れよと。「私たち、鳥と同じですかって。」 そうです、今この時を精一杯生きている生き物ですからね。それでは、みなさん、今日一日の激励の思いをこめてもう一度、「おはようございます」!
(2016年2月29日、放送朝礼より。)